肥満症治療薬について

  • こちらに該当する方となります。
    ・BMIが35以上
    もしくは
    ・BMI27以上35未満の方で下記に示す2つ以上の肥満に関する健康障害をお持ちの方

    ※肥満に関連した健康障害:
     1. 耐糖能障害 (2型糖尿病・耐糖能異常など)
     2. 脂質異常症
     3. 高血圧
     4. 高尿酸血症・痛風
     5. 冠動脈疾患
     6. 脳梗塞・一過性脳虚血発作
     7. 非アルコール性脂肪性肝疾患
     8. 月経異常・女性不妊
     9. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
     10. 運動器疾患 (変形性関節症:膝・股関節・手指関、変形性脊椎症)
     11. 肥満関連腎臓病

    ※BMIは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) で計算されます。

  •  ウゴービは、2024年2月にGLP-1受容体作動薬(セマグルチド)として初めて発売された肥満症治療薬です。これは自己注射剤です。
     元々、2型糖尿病の治療薬として開発された経緯がありますが、主な作用として膵臓に作用しインスリン分泌を促進し、血糖値を上昇させるグルカゴンを抑制することで血糖値を改善させる効果がありますが、脳にも作用して消化管の蠕動運動を抑制し食欲を抑える効果もあります。

  •  ウゴービは週1回0.25mgから開始し、4週間の間隔で、週1回0.5mg、1.0mg、1.7mg及び2.4mgの順に増量し、以降は2.4mgを週1回皮下注射することになっています。
     維持用量は週1回2.4mgですが、投与量が増えるとお値段が上がりますので、ほどほどの容量で維持する方も居ます。
     食事療法等と合わせれば、週1回の投与を68週間行うことで、平均15%前後の減量効果が示されています。

  • ウゴービの保険適用の条件は非常に厳しく、上記した肥満症に該当する方で、専門医がいる施設で食事療法などの肥満症治療を6ヶ月以上実施しても、十分な効果が得られない場合にのみウゴービを処方できるということも条件に加わっています。
    当院では、この条件を緩和し、目安となるBMIは25として、自費診療として肥満症治療を実施します。

  •  低血糖症状、急性膵炎、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などが一般的な副作用としてみられます。これらの副作用は薬剤が高容量となる方が出現しやすいと考えられていますので、使用する方によっては副作用が強く出てしまう可能性もあります。

  • 「ウゴービ」による治療を希望される方は、まずは身長・体重・腹囲に加え、上記した健康障害があるかどうか等、現在の体の状態を調べさせて頂きます。そこで糖尿病等が判明した場合は保険診療としての糖尿病治療を勧める場合があります。
    初診の際は過去の健康診断結果をお持ちの方は是非持参してください(可能であれば数年分)。そして月1回は受診していただき、健康チェックを受けて頂きます。薬のみの処方はいたしません。
    初回は薬剤の準備の関係上、予約が望ましいです。お電話かこちらからお問い合わせください。

  • 当院では、ウゴービMDを採用しております。1本で4回分使用出来ます。
    ・0.25mg 17,000円(税込)/本
    ・0.5mg  23,000円(税込)/本
    ・1.0mg  32,000円(税込)/本
    ・1.7mg  44,000円(税込)/本
    ・2.4mg  56,000円(税込)/本
    針(ペンニードルプラス)4本込みの値段です。針は使い回しは出来ません。毎回外来時に回収します。